このブログでは、温度と湿度のデータをリアルタイムでグラフに表示するウェブページの作成方法を紹介します。このウェブページは、Google Chartsを使用してデータを視覚化し、外部のGoogle Apps Scriptから取得したデータを1秒ごとに更新します。初心者の方でも理解しやすいように、プログラムの全文と詳細な説明を提供します。
・温度と湿度のデータをリアルタイムで視覚的に表示する方法を知りたい。
・Google Chartsを使ったデータの視覚化方法がわからない。
・ブラウザ上でグラフで視覚化する方法を知りたい。
- Google Chartsを使って温度と湿度のデータをリアルタイムでグラフに表示する方法を学べる。
- 外部のAPIから非同期でデータを取得し、それをグラフに描画する手順を理解できる。
- リアルタイムでデータを更新するウェブページの作り方を学べる。
動画でも紹介しているので、興味がありましたら見てください。
スプレッドシートから描画するプログラムの内容
今回の内容は、スプレッドシートに記載した内容されたデータの読み込みを行います。GASのプログラムは下記のようになっています。プログラムの中で、doGetでデータ記録処理を呼び出す、“record”と”retrieve”を設定しています。このretrieveに該当する内容、今回はスプレッドシートに記載された内容をJSON形式で応答する処理を行っています。
スプレッドシートには、下図のようにESP32で取得された時刻・気温・湿度のデータが入っています。
スプレッドシートのurlを自分のスプレッドシートのURLに変更します。下記kのYour Sheetに記載されている内容を変更します。d/~~/editの間の内容をコピーして貼り付け。
// スプレッドシートのURL
const url = “https://docs.google.com/spreadsheets/d/Your Sheet ID/edit#gid=0″;
変更・コピーしたら、GASプログラムYour Sheet IDを下記変えます。
GASプログラムの全文
GASプログラムを設定するため、Apps Scriptを選択します。
選択したら、Sheed IDを自分のIDに変更して、下記プログラムを記載します。
// HTTP GETリクエストを処理する関数
function doGet(e) {
// リクエストのパラメータに基づいて処理を分岐
if (e.parameter.action === 'record') {
// 'record'アクションの場合、データ記録処理を呼び出す
return recordData(e);
} else if (e.parameter.action === 'retrieve') {
// 'retrieve'アクションの場合、データ取得処理を呼び出す
return retrieveData();
} else {
// どちらのアクションにも該当しない場合、無効なリクエストとして応答
return ContentService.createTextOutput("Invalid request");
}
}
// データ記録を行う関数
function recordData(e) {
// スプレッドシートのURL
const url = "https://docs.google.com/spreadsheets/d/Your Sheet ID/edit#gid=0";
// URLからスプレッドシートを開く
const ss = SpreadsheetApp.openByUrl(url);
// スプレッドシートの最初のシートを取得
const sheet = ss.getSheets()[0];
// パラメータとして受け取ったデータをオブジェクトに格納
const params = {
"timestamp": new Date(), // 現在の日時
"temperature": e.parameter.temperature, // 温度
"humidity": e.parameter.humidity // 湿度
};
// シートの最後に新しい行としてデータを追加
sheet.appendRow(Object.values(params));
// 処理完了の応答を返す
return ContentService.createTextOutput('Data recorded');
}
// データ取得を行う関数
function retrieveData() {
// アクティブなスプレッドシートのアクティブなシートを取得
var sheet = SpreadsheetApp.getActiveSpreadsheet().getActiveSheet();
// シートの全データ範囲を取得
var data = sheet.getDataRange().getValues();
// 取得したデータをJSON形式に変換
var jsonData = JSON.stringify(data);
// JSON形式のデータを応答として返す
return ContentService.createTextOutput(jsonData)
.setMimeType(ContentService.MimeType.JSON);
}
貼り付け後、新しいデプロイを行います。
デプロイ後、ウェブアプリで公開するユーザーを全員にしたうえ、デプロイIDをコピーします。
デプロイIDをコピーした後、javascriptでこのデプロイIDを使用して、スプレッドシートにアクセスする処理を行います。
Java scriptの内容
JSON形式で応答したデータを、Javascriptで描画している処理が下記になります。
Your デプロイIDの部分を自分のデプロイIDに修正してください。
<!DOCTYPE html>
<html>
<head>
<!-- Google Chartsライブラリの読み込み -->
<!-- この部分では、グラフを描画するために必要なGoogle ChartsライブラリをWebページに読み込んでいます。 -->
<script type="text/javascript" src="https://www.gstatic.com/charts/loader.js"></script>
<script type="text/javascript">
google.charts.load('current', {'packages':['corechart']});
google.charts.setOnLoadCallback(drawChart);
function drawChart() {
fetchDataAndDrawChart();
setInterval(fetchDataAndDrawChart, 1000);
}
function fetchDataAndDrawChart() {
// 外部のGoogle Apps Scriptからデータを非同期で取得
fetch('https://script.google.com/macros/s/Your デプロイID/exec?action=retrieve')
.then(response => {
if (!response.ok) {
throw new Error('Network response was not ok: ' + response.statusText);
}
return response.json();
})
.then(data => {
var dataTable = new google.visualization.DataTable();
dataTable.addColumn('datetime', 'Date');
dataTable.addColumn('number', 'Temperature');
dataTable.addColumn('number', 'Humidity');
// 取得したデータをDataTableに追加
data.forEach(function(row, index) {
if (index > 0) {
var date = new Date(row[0]);
dataTable.addRow([date, parseFloat(row), parseFloat(row)]);
}
});
// グラフのオプション設定
var options = {
title: 'Temperature and Humidity Chart',
curveType: 'function',
legend: { position: 'bottom' },
vAxes: {
0: {title: 'Temperature (°C)'},
1: {title: 'Humidity (%)'}
},
series: {
0: {targetAxisIndex: 0}, // Temperatureを左側の縦軸に割り当て
1: {targetAxisIndex: 1} // Humidityを右側の縦軸に割り当て
}
};
// グラフを描画
var chart = new google.visualization.LineChart(document.getElementById('chart_div'));
chart.draw(dataTable, options);
})
.catch(error => {
console.error('Fetch error:', error);
});
}
</script>
</head>
<body>
<div id="chart_div" style="width: 900px; height: 500px;"></div>
</body>
</html>
このプログラムは、HTMLとJavaScriptを使用して、温度と湿度のデータをグラフに表示するウェブページを作成します。主な機能は以下の通りです。
- Google Chartsライブラリの読み込み: ウェブページの<head>部分で、グラフ描画に必要なGoogle Chartsライブラリを読み込みます。
- グラフ描画関数の定義と自動更新設定:
drawChart
関数では、fetchDataAndDrawChart
関数を即時に呼び出し、さらに1秒ごとにこの関数を繰り返し呼び出すように設定しています。 - データの非同期取得とグラフへの描画:
fetchDataAndDrawChart
関数では、外部のGoogle Apps Scriptから非同期でデータを取得し、取得したデータをGoogle Chartsを使用してグラフに描画します。
スプレッドシートにデータが入った状態でindex.htmlを開くと下記のようになります。
このように、左の縦軸に、Temperature, 右の縦軸にHumidityが設定されています。
Java scriptのプログラムの,下記プログラムを削除すると、縦軸が一つになります。
,
series: {
0: {targetAxisIndex: 0}, // Temperatureを左側の縦軸に割り当て
1: {targetAxisIndex: 1} // Humidityを右側の縦軸に割り当て
}
ぜひやってみてください。
このウェブページの作成方法を学ぶことで、リアルタイムデータの視覚化の基本を掴み、さらに発展的なデータ表示技術に挑戦する基盤を築くことができます。プログラミング初心者でもステップバイステップで進めることができるように、各部分の詳細な説明を提供しました。